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桐たんす職人

東京墨田区の桐たんす職人です。

「たんす」には見えない「たんす」

9日で平成中村座の仕事を終えて、遅い正月休みを取りたいところですが、

すぐに制作にかからないといけないので、そうもいかないようです。

ちょっと変わった「たんす」の制作をしましたのでご紹介します。

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これが完成した姿です

ただの箱の様に見えますが

れっきとした「たんす」です
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引出しが付いています

正面が完全にフラットですが

あることをすると引出しが出てきます

端を押しても引出しは出てきます

真中にあるのはからくり箱です
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一枚板から作ってあるので木目が通っています
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仕上げはエコマーク認定の水性塗料を塗って木地仕上げになっています



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スライドレールが見えません

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【制作作業】引出しと本体をフラットに削っている所です。


このたんすの間口は106cmです

通常ですとプッシュオープンは引出しの中心を押すことが必要ですが

これは動画でも紹介したとおり、どこを押しても開くことが出来ます。



いままで桐たんすとスライドレースの相性はあまり良いとは言えませんでした

桐たんすは気密性を重視するためインセットが基本です

スライドレールは一般的にアウトセットです

ここまで精度を出すのは今までの常識ではありえないと思います。