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桐たんす職人

東京墨田区の桐たんす職人です。

アンティークに直す方法

お客様の所からお預かりした民芸箪笥です。

この箪笥を雰囲気をなるべく変えずに直して欲しいとのご依頼です。

かなり古いものでおそらく70年~80年ぐらい前に作られたものです。


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雰囲気を変えずに直す場合大きく分けて2通りの直しかがあります。

1.表面は削らず汚れを良く落とし透明のオイルやウレタンで仕上げる

2.表面を完全に削り、修理前の雰囲気に着色してオイルなどで仕上げる

今回は1の方法で直す予定でしたが、思った以上に痛みが激しいため

途中で2の方法に切り替えました。

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ばらせる所はばらしてから組直していきます。

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削るとこんな状態です

ここから色を付けて行きます。



民芸の箪笥は金具が素晴らしいものが多いです

この箪笥の金具もとても素晴らしいものです

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若干錆が出ているので、金具の修理も必要ですが

黒で塗装するとキレイになり過ぎてしまいます

そこで錆が出ている様に塗装をします

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サンドブラストで古い塗装を完全に除去したあと

特別に作ってもらった錆色の塗料と黒の塗料を組み合わせて塗装します。

自動車のボディーに使用する塗料を使用しているため、耐久性は抜群です。

IMG_2138.jpg

着色後オイルで仕上げてあります。

塗膜感は全くありません、オイルならでの柔らかい光沢があり

しっとりとした木の温かみがあります。

オイル仕上げは、拭き漆仕上げに比較的近いと思います。

漆仕上げは漆を7回位塗ります、工程を重ねるごとに艶と色の深み、透明感が増してきます。

オイル仕上げは、漆を3回位塗った感じです。


アンティークに仕上げるのは本当に難しい

木の種類、木の性質、いろいろな要素を考慮して一番ベストな方法を導き出す

おそらく正解は無いのだろうと思います。



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